業務シナリオ

実績データによる製造知識の獲得


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省略名 1109
状態 完了
カテゴリ 設備連携 (10001)
設備間でデータ形式がそろえば
作成日 2015年8月5日
作成ワーキンググループ 実績データによる製造知識の獲得

現状と課題

・管理すべきマスタ情報には、①頑強な技術情報と②付随する製造知識情報の2種類がある。
・個別設計生産へのシフトにより、マスタ情報を構成する①技術情報と②知識情報は膨大な種類となる。
(①製品・部品の設計情報、材料や構造情報、②生産方法・生産工程、作業手順や品質管理指標、検査項目等)
・個別受注案件毎にマスタ情報を生成・管理するため、管理業務が追いつかない。
・特に②付随する製造知識情報は、全情報を安定的に管理できない。(試作時、ライン立上げ時等の変動時)
・②製造知識情報は、現場の技能者や技術者の暗黙知として継承することがむずかしかった。


解決手段

・マスタ情報の構造を頑強に定義し、②製造知識情報が変化してもシステム全体で整合性、正統性を保障する。
・情報IDとして、品目番号や図面番号体系を再検討し、一意性を確保し、②製造知識情報を参照可とする。
・マスタ情報は、検討中、承認済、未承認、承認後改版等、ステータスを明確に管理する。
・個別設計生産でマスタ情報をベースにカスタマイズする場合は、元データ(参照マスタ)とリンクさせる。
・工程経路や個別設備レシピ、NCプログラム等を②製造情報を変更した際は、ロットに対応づけて記録する。
・記録された②製造実績情報は、都度データではなく、マスタ情報として再利用できるようにする。
・過去の製造情報を再利用したら、引用データはマスタ扱いとする。回数に応じ正式なマスタ情報に格上げ。
・実績データからマスタデータを抽出する計算式と計算可能なアルゴリズムとともに定義する。
・計測可能なデータと、マスタの一部として設定されるパラメータとの関係を定義する。
・計算用データを自動収集し、②製造知識として蓄積し品質管理用マスタや、設備管理用マスタの諸元とする。
・人工知能の技術を応用し、前提条件が異なる実績データも、差異を認識した上で、統計的な処理を行う。
・マスタとしての製造知識を抽出し、パラメータが安定すれば、その値をマスタとして利用する。
(生産管理、工程管理、原価管理などの基準値や標準地、原単位など)
・自動収集処理は、日々のオペレーションシステムと連動し、自動的にマスタに変換し格納する。
・定常状態でも定期的にパラメータを再計算し、半自動的に常に最新の状態をマスタ情報として維持する。
・パラメータだけなく、生産工程(手順)や設備経路などもモニタリングし、安定したら手順をマスタ化する。


目指す姿

・個別設計生産等で、都度マスタ情報が変化しても、マスタのコア情報が管理され継承される状態を維持する。
・通常と異なる生産方法やカスタマイズ製品でも、②製造情報を次の生産方法や製品開発にフィードバックする。
・生産実績データや、作業者のカイゼン動作も蓄積し、データから学習し知識を半自動的に獲得可能とする。
・熟練技術者の装置の運転技術や段取りのノウハウなど、暗黙知を抽出し、利用可能な知識として継承する。
・BOMやBOPを、マスタデータと個別カスタマイズに区別し、製品と対応づけて管理する。