業務シナリオ

設備と人の見える化による生産性の向上


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省略名 2L04
状態 完了
カテゴリ 設備連携 (10001)
設備間でデータ形式がそろえば
作成日 2016年6月14日
作成ワーキンググループ 設備と人の見える化による生産性の向上

現状と課題

NC加工機などの自動設備の稼動情報を活用して品質の安定化や異常停止時間の短縮を図り生産性を向上させたいが、現状、加工機からの情報としては稼動/停止程度しか活用できておらず、打ち手に欠ける。情報活用を高度化しようとしても、工場内には、異なるメーカの設備や世代の異なる設備などが混在し、効率的に対応できない。
NC加工機は自動プログラムで稼働するとはいえ、精度確認や切粉処理など一定頻度で人による確認が必要となる場合が多い。あらかじめ設備停止をプログラムしておくか、作業者が設備に張り付いて対応することになり、人当たりの設備生産性が上がらない。また、段取り作業や搬送作業など人系作業と自動設備工程との連携がうまくいかず、効率的に工程を進められない。
多品種少量生産化が進むにつれて、工程が複雑になり、また、工程時間の正確な見積もりが困難となって、各工程での進捗遅れが伝播波及して、計画通りに工程が進まない。


解決手段

 異なるメーカの設備であっても同じフォーマットで稼動情報が取得できるよう共通のリファレンスデザインを整備し、メーカが混在する設備群の詳細な稼動状態を、システムをカスタマイズすることなく、共通の仕組みで取得できるようにする。後付けできるセンサ装置などにより、旧型設備についても同様のフォーマットで追加で情報を取得できるようにする。
 画像解析センサやウェアラブルデバイスの活用により、作業者の位置や段取り状況、搬送状況等の作業状況を解析できるようにする。
これらの設備情報と人の情報とを合わせてデータベース上で一元管理し、解析できるようにすることで、設備の状態や工程の進捗状況、品質のトレンドや設備故障の予兆等を把握できるようにし、それらの情報を元にウェアラブルデバイスなどを通じて、作業者に対して直ちに対応を指示できるようにする。
また、進捗遅れの発生見込みが確認された際には、工程スケジューラ等と連携して直ちに後続工程の計画を変更し、変更後の計画を現場に指示できるようにする。


目指す姿

様々なメーカや世代の加工機の設備の状態や加工工程に関わる人の作業状態を共通の仕組みで把握し、活用することで下記のことを実現する。
①治工具の劣化やビビリ振動などの異常要因や品質上のトレンドをリアルタイムに解析し、予防的に対応することで、稼働時間を増やし品質不良を低下させることができる。
②設備の状態や稼働予定、人の作業状態等を一元的に管理し、効率的に作業者と情報共有し、指示を出すことで、設備と人の作業を効率的に連携させて作業生産性を向上させることができる。
③工程進捗の遅れや遅れの見込みをいち早く把握し、後続工程への影響が最小となるよう常に計画を組み替えることで、工程時間の見積もりが困難な多品種少量生産工場であっても効率的に工程計画を運用できるようになる。