業務シナリオ

CPSによるロボットプログラム資産の有効活用


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省略名 2B01
状態 完了
カテゴリ 工程連携 (10002)
工程間でデータ形式がそろえば
作成日 2016年6月16日
作成ワーキンググループ CPSによるロボットプログラム資産の有効活用

現状と課題

 これまでロボットが導入・利用が進んでなかった中小企業等の生産現場での利活用にあたっては、ロボット導入が決定されたとしても、実稼働時には、ロボットを多機能化するための周辺機器(ビジョン、力覚センサ等)の調整・メンテ、及びそれらを動作中に利用するための教示(ティーチング)が必要である。そのためには、ロボットメーカー毎に異なる操作・プログラミング方法の習得が必要となってくるため、ロボット稼働へのハードルは高い現状がある。
※2015年度WG204「ロボットを活用した中小企業の生産システム」で議論してきた3ステップ(ステップ1(ライン立ち上げ)、ステップ2(ティーチング)、ステップ3(実生産場面))のうち、ステップ2をICT等の活用で効率化する。特に、その解決策として、CPS(Cyber Physical System)の視点に着目する。(2015年度は主にステップ1を実施)


解決手段

 2015年度はロボット導入のハードルを下げるデータベース(ロボット導入支援DB)を提案したが、2016年度はステップ2として、主に多機能化のための周辺機器の調整・メンテ、ロボットの動作教示(ティーチィング)の簡単化に着目する。
 それらを簡単化するには、各種手法が考えられるが、各手法をメンバで検討し着目する方策を選定し、ICT等の活用で効率化する。特に、CPS(Cyber Physical System)の視点に着目して、解決手段を検討予定である。
 例えば、シミュレータ、ノウハウDB、AI(エッジ・クラウド上)、機能パッケージ化等による導入・メンテナンス難易度の緩和(設計変更の容易化、立上げ迅速化)がある。それらの実現に向け、共通領域と競争領域を切り分け、共通領域のみで利用できる部分のプラットフォーム化を目指す。そのプラットフォーム上には、以下のような機能を持つシミュレータ、DB等がある。
1. シミュレータ
教示データに対するAI活用による熟練度向上・問題箇所の自動修正(軌道習熟、干渉回避チェック・軌道修正等)による導入難易度の緩和(立上げ迅速化)。
2. DB
ハンドDB、形状可変ハンドとハンドDB結合による導入難易度の緩和(設計変更の容易化、立上げ迅速化、コスト削減)。
3. コンバータ
ティーチング結果を集め、例えば、A社のロボットで作った動作プログラムをB社のロボットで使えるようにする仕組み(動作プログラムコンバータ(中間ファイルの定義))


目指す姿

これまでロボットの利活用が進んでいなかった中小企業等でロボット設置後の調整・ティーチングが簡略化されることで、安価で、且つ短期間での稼働開始が実現できる。また、その結果が共通のデータベースに蓄えられることで、使えば使うほど、効率化されていき、多くの企業がこのエコシステムに参加する。