IVIつながるものづくりアワード2019決定!

2018年度に活動した19の業務シナリオWGの中から「発展的かつ継続的なデータの収集と分析 ファシリテーター:CKD株式会社」が最優秀賞となりました。

〈IVIつながるものづくりアワード2019選考結果〉
【最優秀賞】
WG4A02
「発展的かつ継続的なデータの収集と分析」

実施企業:CKD(ファシリテーター)、 マイクロネット、日本電気、ナ・デックス、伊藤忠テクノソリューションズ、トヨタ車体、インテック、ジェイテクト

受賞理由:現場にある溶接機のAEセンサを中心としたセンサデータの収集にとどまること無く、データの前処理での精度向上、様々な分析手段を駆使した要因の抽出を実施されました。
またエッジサイドでの画像処理とも連携させながら分析精度を向上させています。IoT事例でありがちなセンサデータ収集だけにとどまらず現場サイドでの積極的なデータの利活用とその結果としての生産性の向上の好事例であり最優秀事例にふさわしいと判断しました。

【優秀賞】
WG4B01
「センサーデータ活用による誰でも出来る予知保全と品質管理」

実施企業:ミスズ工業(ファシリテーター)、スギノマシン、京セラ、東京エレクトロンデバイス、パロマ、パナソニック デバイスSUNX、コンピュートロン、日立産業制御ソリューションズ、日本電気、YKK、特殊金属エクセル、パナソニック、日本精工、トヨタ車体

受賞理由:センサセータの収集と分析において、産官での協業・生産現場とIT/センサベンダーとの摺合せなど、1年間の活動に深みがあり、得られた成果もしっかりしたものでした。金属加工時の異常をセンサデータから把握し、ものつくりの原理原則を徹底的に理解した上でのAIの活用による分析と結果の現場へのフィードバックのストーリは、日本のものつくりにおけるAI活用の一つの方向性を示したと言えます。

WG4C01
「ロボット設備の運用フェーズでの簡易化・効率化」

実施企業:安川電機(ファシリテーター)、パナソニック、不二越、オムロン、日本オートマチックマシン、銭屋アルミニウム製作所、 富士通、日本電気、東芝

受賞理由:ものつくり企業の人材難への一つの処方箋であるロボティクスの導入の一つの障壁である運用フェーズ に焦点を当てて活動されました。モーションキャプチャを活用した作業の自動分析、そのデータからのロボットプログラムの自動作成と、特に中小企業での現場でのロボット活用に一筋の光が見えてくるような業務シナリオを構築されておりました。モーションキャプチャからの人作業の分析手法は、ロボティクスへの応用だけでなく、IE分野でのカイゼン手法のデジタル化にも応用できるため、将来へ事例展開の裾野の広がりを感じさせてくれました。

WG4E01
「部品輸送トラックの位置把握と輸送時間の実績取集による最適化」

実施企業:マツダ(ファシリテーター)、シュナイダーエレクトリック、日本電気、
トヨタ自動車、日立製作所

受賞理由:昨今話題になっているロジスティクスの高効率化を各種センサ、ITソリューションで実現する意欲的なものでありました。運行経路、トラックの待ち時間を最適化し、ドライバーの負荷低減をはかり、輸送によるCO2削減など環境配慮にも貢献できるテーマを業務シナリオして完成させました。在庫圧縮、環境配慮、人材難への対応とものつくり現場のリアルな困りごとをIVI手法で果敢に挑戦している姿勢を評価し優秀賞としました。

【総評】
2018年度IVIビジネス連携委員長 西村栄昭氏(ブラザー工業)

各WGの取り上げたテーマは、リアルに日本のものつくり現場で発生している、困りごとであり、各業務シナリオがものつくり企業に共感を生むアプローチであったと認識しています。その各業務シナリオも、2017年度と比較してより広範囲に深く業務シナリオを構築し実証実験を実施しておりました。取り上げたテーマも環境配慮製造、IE(インダストリアル エンジニアリング)分野など新たな分野への挑戦が目立った年度でもありました。
2018年度の特徴として各々のWGでOT(オペレーションテクノロジー)とITとの融合が進んでいること、一部のWGでは複数のコンポーネント/ソリューションを実証実験で活用しながら、単純に機能の優劣だけでなく、ものつくりの現場での受容性も含め検証していることがあげられます。
優秀な事例が多く、賞の選出には選考委員の皆さんとも大いに悩みましたが、WGの最終報告の内容もさることながら、IVIM(インダストリアル バリューチェーン インプリメント メソッド)の活用などIVI活動全体への貢献も含めて総合的に判断させていただきました。
2019年度はIVI全体として今までの勉強モードから脱却し、実証から実装へ、実証実験か本稼働へ変わろうとしております。さらにパワーアップして2019年度のアワードに挑戦されることを期待しております。