IVIレターVol.2(2016/2/12)


活動インタビュー

WG105へのインタビュー「設備ライフサイクルマネジメント」のファシリテーターである渡辺 嘉彦氏(矢崎部品)にインタビューを行いました。

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渡辺 嘉彦氏(矢崎部品)

WG105では、実際に対象となる工場で実証実験を行って設備寿命の評価を行う予定です。

■ワーキンググループの活動目的 と期待する成果について教えて下さい

WG105の主査は、ワイヤーハーネスやコネクタ等の自動車部品の製造を行っている矢崎部品です。このワーキンググループ105のテーマは、製造業にとって最も重要なテーマの1つです。設備の導入から廃棄までのトータルの流れ(導入期→成長期→成熟期→衰退期→廃棄)を最適にコントロールする「設備ライフサイクルマネジメント」実現によって、生涯生産でのトータルコストパフォーマンスの向上を目指しています。

現状では、設備を使用する“作業者”、設備が組み込まれた製造工程を設計する“工程設計”、設備をつくる“設備メーカー”、設備を保守する“設備保守”がそれぞれバラバラに活動しています。そのため想定していた設備寿命よりも短い期間での設備故障、予期していたにもかかわらず情報が共有されなかった理由による設備の停止、工程設計仕様や設備メーカーが想定していなかった使用によるトラブルなどが発生します。バラバラになっている情報を共有して、全体を統括する“設備ライフサイクルをマネジメントする”ことで、設備寿命をリアルタイムに把握することができます。

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■リファレンスモデルとIoT活用後の目指す姿を説明してください

“設備ライフサイクルをマネジメントする”統括管理者を置くことで、3つの活動を管理することができます。

  1. 設備ライフサイクルの情報を収集、管理する。
  2. 設備ライフサイクルを分析、予測する。
  3. 設備寿命に対する提案をする。

“作業者”、“工程設計”、“設備メーカー”、“設備保守”の情報をつないで共有することで、これまで(事前)は「設備寿命に関する情報が社内でクローズ、かつ断片的」だったものが、今後(事後)は「設備寿命情報が社内外でつながり、設備ライフサイクルが目ネジメントできる」ようになります。

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■苦労している点や活動のトピックをおしえてください

実証実験では、設備全体のデータを吸い上げて、データを解析することで行います。装置の稼働データに加えて、消耗品の劣化、振動や外観(汚れなど)など幅広くかつ長期間データ収集解析を行う必要があります。従って、限られた期間内では十分なデータを集めることができません。実証実験を実施するうえで苦労しているのは、このデータ不足を補うことです。さらに、ワーキンググループの活動で、こうした活動に加えてデータ解析の結果を、誰にでもわかりやすく「見せる(可視化)」手法や手段について検討を行っています。

■今後の活動(および実証実験)と支援を必要としている支援があれば教えて下さい

今後の活動として、実際に対象となる工場で実証実験を行って設備寿命の評価を行う予定です。今年度(2015年度)の活動では、限られた期間のデータや設定条件での検討を行うことになります。実証データが多ければ多いほど、設備寿命の評価を正確に行うことができるためこうしたデータを持っている企業(またはデータ収集できる企業)の参画や支援を幅広く求めています。

設備寿命のライフサイクルをリアルタイムに把握できれば、「①設備を長寿命化する」、「②工程の寿命を評価する」、「③設備耐用年数に対する設備コストを評価する」ことが可能となりダウンタイムゼロ、製品原価の設備関連コストの低減に大きく貢献することになります。

インタビュアー:鍋野敬一郎

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WGでの討議の様子


IVI実証実験インフラ支援製品・サービスの公募(採択結果) 

IVIでは、実証実験をラットフォーム非依存の形で行うために、(1)IoT現場ツール(データを取り出す)、(2)通信サービス(データを伝える)、(3)クラウド管理(データを中継する)、(4) データ変換ツール(データを変換する)と4つの技術分野ごとに、広く製品やサービスを公募しました。40件以上の応募がある中、26件を採択しました。

→ IVI実証実験インフラ支援製品・サービスの公募(採択結果)
https://iv-i.org/news/koubo_151221r.html


IVIシンポジウム(3月10日開催)ご案内 

20の業務シナリオWGなど、約半年間の活動の成果として、実証実験
や活動の報告の場として
「IVI公開シンポジウム2016 ― Spring ― 日本のものづくりの未来を拓く!」
を開催することとなりました。

日時:日時:3月10日(木) 9:30 ~ 17:50 (9:00 受付開始)
場所:虎ノ門ヒルズフォーラム 4階ホールB

今年度の取り組み概要、ゆるやかな標準を用いた“つながる化”の
実施手順、業務シナリオWGの活動報告、ドイツ最新事情レポート、
今後の取り組み、などの情報をお届けします。

シンポジウムはIVIメンバー以外の方もご参加いただけます。ぜひこの機会に参加をご検討ください!皆さまのご来場をお待ちしております。

→ シンポジウムプログラム・お申込み
https://iv-i.org/events/160310.html


西岡理事長講演ご案内
(3月14日 日本機械学会生産システム部門研究発表講演会2016) 

日本機械学会生産システム部門研究発表講演会2016の中で、西岡理事長が講演を行います。
日本機械学会生産システム部門の「インターネットを活用した「つながる工場」における生産技術と生産管理のイノベーション研究分科会」ではIVIとの共同でイベントも開催しています。

日時:日時:3月14日(月)
場所:東京理科大学 野田キャンパス 講義棟
西岡理事長講演:「ひと、モノ、情報がサイバーにつながる時代における生産システム研究の役割り」

→ 日本機械学会生産システム部門研究発表講演会2016 詳細プログラム
http://www.jsme.or.jp/msd/event/conference2016.html

→ 日本機械学会生産システム部門
http://www.jsme.or.jp/fad/index.html


編集後記

IVI Newsレターも2号を発行することができました。
IVI Newsレターは英語版少し遅れても発行しており、IVIの国際的な認知
度向上も目指していきます。

また、IVIのWEBでもいろいろな情報を配信しておりますので合わせて
ご覧ください(日・英の両方のWEBページがあります)。
日本語 https://iv-i.org/
英語  https://iv-i.org/en/index.html

皆様に役立つ情報をお届けしていきたいと思いますので、今後ともご愛顧
よろしくお願いします。

発行:インダストリアル・バリューチェーン・イニシアチブ
パブリシティ委員会
http://www.iv-i.org