IVIつながるものづくりアワード2018決定!

2017 年度に活動した22 の業務シナリオWGの中から「AI による生産ラインの生産性向上と自動化進展~第一弾:検査工程への取り組み~ ファシリテーター:マツダ株式会社」の受賞が決定しました。ビジネス連携委員会 西村栄昭委員長(ブラザー工業株式会社)による総評では、設備の稼働、生産性の向上のみならず、現在の日本のものつくりの大きな課題でもある、品質向上、トレーサビリティの担保などにも取り組み、大きな成果を上げていることが挙げられていると称えました。

<IVI つながるものづくりアワード 2018 選考結果>
【最優秀賞】
WG3C1
「AI による生産ラインの生産性向上と自動化進展 ~第一弾:検査工程への取り組み~」
↑クリックするとシンポジウム(3月)のプレゼン資料がご覧になれます。

実施企業:マツダ株式会社(ファシリテーター)、アビームコンサルティング株式会社、AAC 株式会社、株式会社シーイーシー、株式会社ダイフク、デバイス販売テクノ株式会社、、中村留精密工業株式会社、株式会社ニコン、日本電気株式会社、パナソニック株式会社、富士ゼロックス株式会社、三菱重工業株式会社、ヤマザキマザック株式会社、株式会社リコー、YKK 株式会社

受賞理由:品質を支える官能検査(目視検査)に着目し、AI(人工知能)を活用した自動化、検出力向上及び安定化に取り組まれました。自動車のエンジン部分の工程での実証実験において、高速判定を実施するエッジ側、深層学習とナレッジを蓄積するクラウド側と、実際に現場に展開可能なフレームワーク、システム構成を構築しながら検証を実施された点も評価されました。検出度向上に関して、システムのみならず、検査環境、現場での智慧を総動員して一定の成果を挙げられたことは、日本的なものつくりの精神が感じられました。

【優秀賞】
WG3E01
「拡張MES による生産改善」
↑クリックするとシンポジウム(3月)のプレゼン資料がご覧になれます。

実施企業:小島プレス工業株式会社(ファシリテーター)、アビームシステムズ株式会社、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、ウイングアーク1st 株式会社、株式会社タイテック、東洋ビジネスエンジニアリング株式会社、日本特殊陶業株式会社、株式会社日立産業制御ソリューションズ、株式会社フロンティアワン、丸和電子化学株式会社、三菱電機株式会社

受賞理由:日本のものづくりの強みである中小企業間の連携を、拡張MES によって情報・データフィールドまで強めていく革新的な取組みを評価いたしました。実証実験、リアルな活動の中で情報・データ連携のみならず、それらを活用した品質向上、生産性向上、リードタイム短縮など企業価値を高める成果が創出できていることも評価されました。また、日本の現場で課題であるトレーサビリテ
ィの担保にも挑戦し、次年度以降のさらなる活動の発展が感じられました。

【優秀賞】
WG3B02
「鍛造プレスラインにおける予知保全と品質向上
↑クリックするとシンポジウム(3月)のプレゼン資料がご覧になれます。

実施企業:CKD株式会社(ファシリテーター)、ウイングアーク1st 株式会社、株式会社小松製作所、新東工業株式会社、株式会社電通国際情報サービス、株式会社日立製作所、富士ゼロックス株式会社、マツダ株式会社、三菱電機株式会社、ヤマザキマザック株式会社

受賞理由:日本を代表する産業の1つである自動車産業の重要部品であるクランクシャフトの製造工程である鍛造プレスラインに果敢に挑戦されました。実証実験にありがちなセンサはつけたが期間中になかなか予兆を掴まえられないことに陥らず、積極的に手をうち予兆を一ヶ月前というかなり事前に捉え実際の現場で対策を行い、実証現場のパフォーマンス向上の成果につなげたことは評価できます。予知保全の実証実験でありながら、以前には着目していないデータ間の因果(相関)関係より、欠肉という対象部品の重要品質特性へもデータの解析、設備へのフィードバックを行い、結果をだしており、センサーデータの現場での活用の将来性が感じられました。

【優秀賞】
WG3A03
「BOP を使った製品設計情報と生産技術情報のクラウド連携
↑クリックするとシンポジウム(3月)のプレゼン資料がご覧になれます

実施企業:ブラザー工業株式会社(ファシリテーター)、日本電気株式会社、三菱電機株式会社

受賞理由:生産準備段階での開発部門と生産技術部門のデータ連携、連携による構造的な顧客価値・実現機能・実装部品・製造工程を一気通貫に表現することをクラウド上で可能としました。この機能の実現により、データの連携を実現しただけでなく、大規模組織に見られがちな部門の壁を取り払う効果も期待できます。実証実験では、実際の商品・サービスで使用されているデータで、スピーディな開発製造連携を実現されていることも評価できます。2016 年度に引き続き、BOP(ビル オブ プロセス)の可能性を世の中に見せてくれました。

総評:2016 年度と比較してより深く広範囲に業務シナリオを構築し、実証実験を実施されておりました。また2017 年度の特徴として、設備の稼働、生産性の向上のみならず、現在の日本のものつくりの大きな課題でもある、品質向上、トレーサビリティの担保などにも取り組み、大きな成果を上げていることが挙げられます。優秀な事例が多く選出には委員の皆さんと悩みましたが、活動の成果もさることながら、アワードを通じてIVI の活動を広く知っていただくことも配慮し、さまざまな観点から選出させていただきました。2018 年度の業務シナリオWG も開始されております。IVI の業務シナリオの活動がさらにパワーアップして次回のアワードに挑戦されることを期待しております。