2016年9月13日(火)ドイツのベルリンにあるプラットフォーム・インダストリー4.0の事務所を西岡靖之IVI理事長とAxel Saleck氏(IVIエバンジェリスト)で訪問し、事務局長のHenning Banthien氏、およびドイツ連邦エネルギー省のインダストリー4.0担当事務官でるJan Siedentopp氏と面談しました。
はじめに、IVI側から、これまでの活動の経緯を説明し、特にシナリオベースのユースケール記述の手法や、中小企業が大企業メンバーと肩をならべて非常に活発にワーキンググループの活動に参加し成果をあげていることを説明しました。ドイツ側でも、特に中小企業の支援には力点を置いているとこのとで、こうした活動の成果や、そのプロセスそのものを、それぞれのメンバーレベルでの交流に発展させていきたいという期待が寄せられました。
また、IVIから、今年度のとりくみとして、8つのプラットフォームのリファレンスモデルを提示し、そのモデルを参考にプラットフォーマーがユースケースを手掛けていく方法について紹介しました。IVIのモデルはRAMIモデルと整合性がとれそうなので、WG1で進めている標準化活動との連携も視野に入れつつ、まずは来年3月の成果を非常に期待しているとのコメントがありました。
ドイツ側からは、日本国内でIVIとRRIとの関係について、そしてIVIの今後の国際的な展開について質問がありました。前者については、ボトムアップ的に民間ベースでニーズを積み上げていくのがIVIは得意で、一方で政府の施策への対応や諸外国との連携など大きな枠組みはRRIがリードしつつ、両者は非常に協調的、補完的な関係であることを説明しました。また、後者については、現在は人的リソース不足からすべて受け身ですが、IICや10月のバルセロナのIOTSWCなど、積極的にこれからも発信していくつもりであることを説明しました。
今回の会合では、90分間にわたり、上記以外にも、それぞれの事情や進め方に対する悩みごとなど、ざっくばらんな会談となり、トップレベルでの相互の信頼関係を構築できました。また、特に、IVIの活動について、ドイツ内のLABSネットワークやIICのテストベットとも若干異なる部分が、これまではなかなか理解していただいていなかったようでしたが、今回はIVIの活動の全体スキームと、現場の困りごとから出発する業務シナリオの構築と実装の流れをしっかり理解していただき、その具体性と有効性をとても評価していただくことができたようです。
今後は、経産省やRRIのリーダーシップのもと、10月のCEATEC JAPAN、来年3月のCeBITなどで相互に行き来した際に、さらなる具体的な議論を深めていきたいということで、IVIとしてもできる限りのことをしながら、国際的なネットワークを広げていきたいと応じました。
左よりSaleck氏、西岡理事長、Banthien事務局長、Siedentopp氏