2020年5月

お知らせ

IVIつながるものづくりアワード2020決定!
『実証から実装へ』ものづくりの現場で実装できる成果

インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(理事長 西岡 靖之 工学博士、以下IVI)は、2020年5月14日のスタートアップセミナーでIVIつながるものづくりアワード2020の審査結果を発表しました。2019年度に活動した18の業務シナリオWGの中から「人・モノの実績可視化/分析と最適化-II(次世代IEの追求):マツダ株式会社」の受賞が決定しました。2019年度は、2015年のIVI発足以来より100を超える業務シナリオが完成した節目となる年であるとともに、その内容も次の3つの形態「PoC型」、「堅実実装型」、「CIOF」(製造業のデータ流通のためのフレームワーク、Connected Industries Open Framework)に分類されて進めてきたことが説明されました。

先進的な手法や技術にトライする実証実験の場を持つ“PoC型”は、従来の業務シナリオと同等にTO-BEシナリオに対する実現可能性の評価を、高度でなくてもよいが実際的で安価に実装できるツールを試す“堅実実装型”は、いかに簡単に、いかに低コストでできたかという実装までのプロセスを重視した取り組みを、そして、CIOFにより企業を超えたデータ流通をプラグインで実装ができるか試す“CIOF連携”では、これまではできなかった業務プロセス、ビジネスモデルを実現していくための取り組みをしてきました。

<IVIつながるものづくりアワード2020選考結果>

【最優秀賞】5C03
「人・モノの実績可視化/分析と最適化-II(次世代IEの追求)」

実施企業:マツダ 他
受賞理由:フォークリフトが動き回る現場での改善事例ですが、人とモノの動きの定量化(自動収集)と“IE手法を活用したロス分析”を融合し、属人化した作業から編成効率最大化に向けた標準化作業の設計と定量化された動きをパターン化し、ロスのルール定義化&可視化で成果をあげています。今後は、フォークリフトにとどまらず、生産現場での人とロボットとの強調にも発展可能な成果です。

【優秀賞】5A03:PoC型
「素材製造ラインにおける品質向上/シリンダヘッド(鋳造)編」

実施企業:三菱電機 他
受賞理由:自動車エンジン、シリンダヘッド鋳造工場での品質向上をテーマとし、現場の技量や経験に頼っていたものを、新たなセンシング、分析の活用により、溶湯成分に着目して因果関係を調査し知見者が思いもよらなかった特定成分の含有量の偏りが品質影響因子であることを検証、また製品冷却用のプレート個体差が製造物の良否に偏りを生むことを分析により確認することができています。科学的分析には「定量化」が必要なことを改めて明らかにした、素晴らしい事例でした。

【優秀賞】5E02:CIOF型
「セキュアデータ流通サービス:エッジAI実装で生産現場の知性化」

実施企業:東芝 他
受賞理由:IoT/M2M、センサーやエッジコンピュータの高機能化、AIの実用化が進んでいる中で、製造工程が数秒から1秒以下プロセスを対象とした工程にて、エッジコンピュータで収集したディープなデータを基に、インプロセス管理としての機会による良否判定の仕組みづくりや、工作機械センサーデータ国際標準化活動、更にはCIOFデータ流通、ゆるやかにつながる環境整備を目指し活動されました。単にモデルを作るだけでなく、現場で動くものを作り、更にロットごとの傾向分析や、予兆の発見にもつなげていきました。

【優秀賞】5B02:堅実実装型
「設備機の保守に関する情報を、見える化する」

実施企業:CKD 他
受賞理由:生産現場のドカ停回避を考えた時、主要装置でない周辺の設備は、異常が発生しても人力による代用や応急処置でしのげることが多いため、日々のメンテナンスの関心事になっていないことに着目し、取組んだテーマです。今回は工作機械内のサーボアンプのファン故障を取り上げて、シンプルでお手軽なセンサーを試しながら、オフラインでの検証も合わせて活動されました。地味なテーマですが、身近で素人さんにも理解しやすい活動でした。

【敢闘賞】5C06:PoC型
「設計・製造間の連携効率化」

実施企業:ニコン 他
受賞理由:7名中5名がIVI加入2年目以下のメンバーで構成された、新規のワーキンググループです。試作部門における見積業務のスピードアップや納期・金額の正確性向上を課題に取組んだテーマで、TO-BEで描いたシステムに現場の知見も加えながら、3Dモデルからの加工時間(加工金額)算出、最適納期の算出を可能としています。一年間の活動目標(CAN-BE)とし取組まれましたが、将来像(TO-BE)では、CIOF活用も視野に入れながら取組まれると大きな成果が見込まれます。

【総評】2019年度IVIビジネス連携委員長 水野博之(CKD)
2019年度の業務シナリオワーキンググループ活動を振り返ってみると、採取したデータの有効活用の腕前が試されたような一年だったと思います。困りごとを切り口として、現場にマッチさせたコンポーネントの選定から、データの収集、分析に至るまで、シナリオで描いた、TO-BEの世界を、見事に実現していったものばかりでした。IVI全体として、今までの勉強モードから脱却し、PoCから堅実実装へ、実証実験から本稼働へ変化し、皆さんがパワーアップできた一年となりました。

■インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(IVI)とは
IoT時代におけるものづくりとITの融合によって可能となる“つながる”ものづくりを、“ゆるやかな標準”というコンセプトをもとに実現することを目的として2015年6月18日に設立された製造業を中心としたフォーラムです。IHI、オムロン、川崎重工業、神戸製鋼所、今野製作所、CKD、ジェイテクト、東芝、トヨタ自動車、ニコン、日本電気、パナソニック、日立、ブラザー工業、武州工業、富士通、マツダ、三菱電機、安川電機など国内外で240社/16団体、739名が参加しています。
(正会員:大企業81社、中小企業75社、サポート会員:大企業29社、中小企業48社、実装会員:大企業1社、中小企業6社、賛助会員:16団体、2020年4月22日現在)

<本件に関するお問い合わせ先>
〒103-8548 東京都中央区日本橋小網町14-1
モノづくり日本会議内
TEL:03-5644-7140
FAX:03-5644-7209
電子メール:office[at]iv-i.org
([at]の部分を@マークに置き換えてください。)
インダストリアル・バリューチェーン・イニシアチブ 事務局(担当:菅野貴史)
ホームページ:http://iv-i.org/

<報道機関からのお問い合わせ先>
IVI事務局 担当:菅野貴史
電子メール:office[at]iv-i.org
([at]の部分を@マークに置き換えてください。)

プレスリリース(PDFファイル)


お知らせ

2020年度IVIスタートアップセミナー 講演資料掲載のお知らせ

5月14日にWEBで開催されたスタートアップセミナーの講演資料を公開いたします。
(タイトルをクリックするとPDFファイルが開きます。)

内容 講演者
オープニング 渡部(IVI事務局長)
IVIの現在とこれから 西岡(IVI理事長)
業務シナリオダイジェスト、アワード表彰
ビジネス連携委員会より
水野(ビジネス連携委員会 委員長)
教育普及委員会より 渡邊(教育普及委員会 委員長)
総合企画委員会より 冨田(総合企画委員会 委員長)
スマートシンキングの進め方 西村(IVI代表幹事)
CIOFによるデータ取引の活用方法 西岡(IVI理事長)

j-news

IVIニュースレターNo.32 (2020/5/7)

 お待たせしました。2020年度最初のニュースレターをお届けします。
 この数か月で世の中がすっかり様変わりしつつあります。この大きな変化に適合することが生き残りには不可欠であるという認識に立って、IVIはその歩みを止めない、そのことを西岡理事長と西村代表幹事が言葉にしました。
 さらにスタートアップセミナーをライブ配信します。ご期待ください。


≪ 理事長より:IVIのこれから ≫

 コロナウィルス感染症の拡大により、世界が大きく変わろうとしています。歴史を紐解けば、人類とウィルスとの闘いは今回が初めてではありませんが、いま私たちはまさに、そうした歴史の渦の中でもがいています。これは現実であり、常に新たな意思決定と行動が求められています。人とモノと情報のグローバル化が進んだ現代、その生命線ともいえる人の移動、人と人との接触を極限まで制限したとき、社会はどのように変容するのか、変容せざるを得ないのか。これまで考えたことがない状況を想定した新しいソリューションを、それぞれの状況に応じて、それぞれ自分の頭で考えなければなりません。

 情報社会といわれて久しいですが、私たちの身の回りの情報、入手可能で利用可能な情報は、これから数年、コロナウィルスとともに生きて行かなければならない社会にとって、大きな何かが欠けているようです。デジタルトランスフォーメーション(DX)がその答えであるとも思えません。社会の根底にある人と人とのコミュニケーションの本質は、古代から現在にいたるまで、おそらく何も変わっていないようで、インダストリー4.0も、ソサエティー5.0も、すべてこうした人と人とのつながりを前提として成り立っています。

 そうだとすれば、ここで今一度、そうした原点に立ち返り、人を中心として社会はどうあるべきか、そして企業や団体は何ができるのかを考えたいと思います。人は生活者(消費者)として、そして生産者(働き手)として、情報から何を学び、情報とどのように接しているのか。そして、その後に、デジタルでできること、デジタルができること。こうした順序で考えていくと、逆に、デジタルでできないことが見えてきます。そして、それは、今回のパンデミックによって明らかになったことと、ほぼ一致していることに改めて気づかされます。

 コロナウィルスとの闘いは長期戦となる前提で、IVIはこれまでと同様に、“つながるものづくり”の具現化を目指し、デジタルとアナログの切り分け、そして協調領域と競争領域の切り分けのための手法やしくみを提供してまいります。地域を支える多くのサービス事業者が危機的な状況にある中で、そこで必要となるモノを生産し、情報とともに届けるのが製造業の役割です。モノに託された作り手の思いやメッセージは、サプライチェーン/バリューチェーンを通じて、人々に伝わります。 “つながるものづくり”を標榜するIVIにとって、ここが、踏んばりどころどころといってよいでしょう。いよいよ2020年度の活動が始まります。


続きを読む “IVIニュースレターNo.32 (2020/5/7)”